とうとうエリザベス女王が声明を出す事態に
「生まれてくる子どもの肌の色を心配された」
「生きていたくないと思った」
英王室のヘンリー王子の妻・メーガン妃の発言が大きな波紋を広げ、王室を揺るがす事態になっている。
ヒラリー・クリントンやテニスのセリーナ・ウィリアムズは、メーガン妃の発言を支持したが、英国内のメディアの多くは、「エリザベス女王への衝撃的な侮辱だ」と批判している。
沈黙を守るという不文律を破って、エリザベス女王までが声明を出した。
「ハリー(ヘンリーの愛称)とメーガンにとって、この数年が、どれほどつらいものだったのか、その全容を知り家族全員が悲しんでいます。とりわけ人種の問題を懸念しています。記憶が食い違う部分があるかもしれませんが、問題を深刻に受け止め、家族の中でプライベートに対応します」
やんわりと、私の記憶とは違うと反論し、家族のプライベートなことを外で発言するものではないと、諭しているようだ。
しかし、ヘンリー王子の兄のウィリアム王子が「王室家族はレイシスト(人種差別主義者)ではない」と否定したことで、この波紋はまだまだ広がりそうである。
プレイボーイ王子と人気女優のなれそめ
元々2人の結婚は、ウィリアム王子とキャサリン妃の時のように、「英国民の多くが祝福してくれる」ものではなかった。
ヘンリー王子は数々の女性と噂になり、やんちゃな行動が国民から愛されもしたが、パパラッチたちの格好の餌食になって、顰蹙も買っていた。
そのプレイボーイ王子が、アメリカの人気ドラマ『SUITS』で一躍有名なった女優のメーガンに会い、たちまち恋に落ちたのである。
日本テレビロンドン支局長だった亀甲博行が書いた『ヘンリー王子とメーガン妃 英国王室 家族の真実』(文春新書、以下『ヘンリー王子とメーガン妃』)によると、会ってから2回目に、ヘンリーはメーガンに「アフリカに行こう」と誘い、予定を合わせて旅行したという。
ボツワナの星降る草原のテントで2人きりで過ごしたそうだが、テントといっても1泊7万円の高級施設で、部屋の前から野生のライオンや象を見ることができたという。
出会って16カ月で2人は婚約した。その時点で皇位継承順位は、チャールズ皇太子が1位で、ウィリアム王子が2位、ヘンリーは6位だった。
メーガンは、3歳年上でバツイチ、父親は白人だが、母親はアフリカ系の黒人で、英王室に黒人が入るのは初めてである(ワシントン・ポスト紙によると、英国王ジョージ3世〈1738~1820年〉の妻、シャーロット王妃はアフリカ人の子孫であったと主張する歴史家たちがいるというが)。