女性も、起業に尻込みしないで
高本さんは現在も、医療系AIロボットシステムの会社と兼業しながら、wakarimiを運営している。複業による相乗効果は大きいという。
「兼業先の会社もwakarimiもスタートアップなので、どちらかの経験がもう片方の“予習”になります。それにもちろん人脈も2倍。兼業先の関係者がwakarimiに興味を持ってくださるということも多いですよ」
「よく、『複業すると社外に知識が出ていく』『本業が疎かになる』と言われますが、やってみるとそんなことはまったくないことがわかります。ある瞬間ではマイナスに見えることがあるかもしれませんが、トータルで見たらメリットが大きくなるんです。これからは複業という働き方が、当たり前になるかもしれませんね」
高本さんだけでなく、wakarimiに関わるuni'queのメンバーも全員複業。それでも、本格的に事業化の準備を始めてから数カ月で本格稼働している。
「一般の企業だと、新規事業の立ち上げにはフルタイムの社員がたくさん関わっているはずですが、もっと時間がかかっていると思います。でもwakarimiの場合は、全員が複業であるにもかかわらず、このスピード感で事業を立ち上げることができ、サービスとしてもきちんと回っている。胸を張ってそう言えることが大きい」
プライベートも何もかも投げうって、すべての時間とエネルギーを注ぎ込まないと起業なんてできない――。そんな先入観を覆したいと高本さんは力を込める。
「地方在住でも、子育てをしながらでも、複業でも、スピーディに事業を起こして回していける。それがわかれば、起業に対する精神的なハードルは下がると思うんです。尻込みしないでチャレンジする女性が増えてほしいです」
(構成=池田 純子)