コロナ禍で買い手優位に一転した転職市場。今、35歳以上の転職希望者は企業からどう見られているのか、求められているのはどんな人材か、そして転職すべき人とすべきでない人の違いとは──。35歳以上の転職事情に詳しい黒田真行さんに聞きました。
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求人広告から「中高年歓迎」が消滅

日本の採用市場における求人数は、リーマンショック後の2009年に半減した後は右肩上がりの状態が続いてきました。ところが、今年4月以降はコロナ禍や景気悪化の影響で、再び下降線をたどっています。

転職の求人メディアでは、正社員の募集件数が前年より40%程度ダウン。昨年は250万人ほどが採用されていたのが、今年は150万人ほどとかなりの減少を見せています。

この現状に、最もあおりを食っているのが若者や中高年です。求人広告からは「未経験者・中高年歓迎」という文字が一斉に消え、どの企業も即戦力やスペシャリストを求めるようになりました。これは、女性が多いとされる一般事務や営業アシスタント、受付業務などについても同様で、AIやアウトソーシングの普及も相まって、正社員募集はますます減ってきています。