使えるサービスと人間関係をフル活用する

遠距離介護の必要が生じたとき、まず取り組むことは、経験者の声に耳を傾けることです。介護は、ひとりで抱え込むと抜け道のない袋小路に迷い込むもので、誰かに相談できる、あるいは、よき理解者がそばにいてくれるだけで、いかようにも対応の幅が広がってくるものです。

相談者を探すことを勧める理由は、ある遠距離介護経験者の言葉が裏づけとなっています。彼の場合、遠距離介護を続けていく過程で、50歳を前に会社を辞めてしまいました。ふるさとに暮らす老親の介護を、自分がすべて引き受けることを決意したからです。ふるさとでは、兄夫婦が老親の面倒を看てきましたが、長期化する介護のなかで疲れ果て、介護を継続することができなくなっていました。責任感の強い彼は、遠距離介護という中途半端な立ち位置に我慢ができなくなって、会社を飛び出してしまったのです。