田舎に住む親の遠距離介護を始めるときの第一歩は地域の人間関係をつくること。

田舎に住む親の遠距離介護を始めるときの第一歩は地域の人間関係をつくること。

彼は老親が暮らす地域に飛び込んで、人間関係をつくることがおおきな仕事だと語っています。

「介護に対する意識改革、そして、自分の人生の一部であることを実感できるようにならなければ成功しません」

彼の介護方法は、使える介護サービス、人間関係をフル活用することでした。介護保険で利用できるサービスは、ホームヘルパーの訪問介護とデイサービスを利用できる範囲で積極的に導入。自分の生活時間を確保することで、その時間を利用して近隣の施設を回ったり、介護者たちの集まりにも参加してコミュニティでの活動に取り組んでいます。

理想論を言えば、地域の介護サービスネットワークが充実し、家族で介護の問題を抱え込むことの必要性がない社会であれば救われるのですが、実際には自分で切り開かなければいけません。ネットワークづくりが、遠距離介護にとって最も重要な作業といえるでしょう。介護は人と人の関係性のなかで存在し、また問題をも発生させるものです。離れた場所から、その全体像を把握することは不可能です。遠距離介護を成功させるには、その導入時に、現地で動き回ってネットワークづくりに励むことです。

(高橋宣之=撮影)
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