名前によって爆発的に売れる商品もある

さまざまな対象に名前を付けるべきです。抽象的な概念や新しい概念の場合には、とりわけ重要なことです。

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写真=iStock.com/Aksana Kavaleuskaya
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私は、これまで、「超」整理法、押し出しファイリング、こうもり問題、1940年体制などの名前を「発明」してきました。名前を付け、それを定義し、説明しておけば、あとは、いちいち内容を説明しなくても、その名前を提示するだけで済みます。

日常生活においても、名前、またはタイトルが必要です。タイトルをうまく付けることができると、さまざまな場合に効果的です。

物事や企画などの抽象的な対象に、そのコンセプトを的確に表すタイトルを付けると、それだけで、直接的に訴求できます。

キャッチコピーや商品名を変えるだけで、商品が爆発的に売れることがあります。商品名にはいくつも例があります。最高傑作は、「ごきぶりホイホイ」でしょう。憎いゴキブリ、しかも素早くて捕まえられないゴキブリが、「ホイホイ入ってくる」というのです。これこそ、万人が求めているものでしょう。

とにかく一度つけてみて試行錯誤するしかない

ただし、問題は、そうしたタイトルなり商品名なりを、どうすれば思いつくかです。これは難題だと考えざるをえません。このウエブ連載の第2回で解説した「クリエイティング・バイ・ドゥーイング」は、ここでも役に立つでしょう。

文章を書く際のクリエイティング・バイ・ドゥーイングとは、例えば、テーマが確定していなくても、仮のテーマで作業を進めることです。仮のテーマに沿っていろいろ調べたところ、別のもっと適切なテーマが見つかり、それが大量の金が埋蔵された金鉱となることもあります。

タイトルも同じです。とにかくタイトルを付けてみて、それがベストとは思えなかったら別のタイトルを付けてみる。その試行錯誤の繰り返しによって、ゴールにたどり着くのです。

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