文章の構造を正しくするだけでは意味がない
「文章の書き方」についての本はいくつもあります。そこに書かれているのは主として「文章の構造をどう整えるか?」といった問題であり、こうした注意は大変重要なことです。ただし、多くの場合、これは校閲者の立場から指摘されるような事柄です。
文章の構造を正しくし、理解しやすくするための注意に従えば、そこに書いたことは理解してもらえるでしょう。しかし、「いっていることはよく分かったけれども、結局何も残らなかった」というのでは、意味がありません。
つまり、文章の構造を整えることは、必要条件ではあるのですが、十分条件ではないのです。逆にいえば、内容さえ充実していれば、文章がある程度の悪文であっても、許されるでしょう。