賢く貯蓄するにはどうしたらいいか。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「公的年金の給付が先細りするなか、政府が強力にプッシュしているiDeCoは最悪な金融商品だ。それより、iDeCoと同じように掛け金の全額が所得控除になるうえ、使い勝手がよく低リスクの制度を選択するといい」という――。
※本稿は、荻原博子『65歳からは、お金の心配をやめなさい』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
どうして「つみたてNISA」が儲からないのか
はっきり言って、積立投資は儲かりません。
実際に、「つみたてNISA」でみんなが儲かっているのかと言えば、そうでもなさそうです。
個人のブログなどでも、「2020年からつみたてNISAをやって、2022年には約7万8000円のマイナスになった」などという記事を見かけます。
2022年は、国が投資を呼び掛けたこともあり、「つみたてNISA」の新規口座が127万口座以上になりました。
ただ、この時期に「つみたてNISA」を始めた人の多くは、2023年時点では、損をしているか、プラスになっていてもごくわずかという人が多いようです。
また、2024年1月から始まった「新NISA」でも、同年8月の株価の乱高下でかなりの損が出た人は少なくありません。
「NISA」のメリットである「非課税」も、儲かっていなければ、絵に描いた餅です。
では、なぜ、「つみたてNISA」では儲からないのでしょうか。