継続して売れる商品やサービスは何が違うか。有名ヘアアーティストでヘアケアブランド『Kyogoku Professional』を展開する京極琉さんは「知名度のある人が最初のフェーズである程度の売上を作っても、そこから一般の人に良いと思ってもらうようなマーケティングやブランディングをしないと、1〜2年で終わってしまうことが多い」という。北の達人コーポレーションの木下勝寿さんが聞いた――。
※本稿は、木下勝寿『なぜあの商品、サービスは売れたのか? トップマーケッターたちの思考』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。
18歳で美容師になると決めて6年で世界一へ
【木下勝寿(北の達人コーポレーション社長)】指名料が今日本一高い美容師なんですよね。
【京極琉(ヘアアーティスト)】今指名料は55万円いただいています。
【木下】すごいですね。それでもかなりの予約が入るものですか?
【京極】1年半先の2026年の1月まで埋まりました。
【木下】えー‼ まじですか。すごいな。
【京極】1日にできるお客さんも2〜3名ですし、今は1カ月に4回しかサロンに出ないんですよ。
【木下】もう働く必要ないじゃないですか。
【京極】好きなんですよね。施術のあとにお客様の表情を見ると、すごい達成感を感じますね。
【木下】そもそもなぜ美容師になられたんですか?
【京極】出身が中国で、12歳の時に親の仕事の関係で日本に来たんですが、当時は自分の中で気持ちの整理もあまりできていなくて。それで18歳まで家に引きこもって現実逃避していたんですが、このままではダメだと。次の進学ではもう逃げないと心に決めて、色々と考えた結果、手に職をということで美容師を選択しました。
【木下】18歳で美容師になると決めて世界一の称号をとるまで結構すぐですよね?
【京極】世界一は24歳の時なんで、美容師になるって決めてから6年ですね。
【木下】すごいですね。それで今は美容師以外にも様々な事業を展開されて、メディア出演もされていますよね。
【京極】美容師の社会的価値を上げるのが僕の使命だと思っているんですが、業界内だけで頑張っても美容師という職業の社会的価値は上がらないので、外部のメディアに出ることで社会的な評価を上げていきたいですね。