前回(http://president.jp/articles/-/2417)は採用について、「『いい人材』の定義なくして、いい採用なし。いい人材を採用したら、適材適所に配置せよ」と述べた。そして、そのあとで重要になるのが、いい人材を会社に定着させることだ。

私の好きな漫画にジョージ秋山の『浮浪雲』がある。その主人公がいった、夫が妻に対して犯してしまいがちな最大の罪は「退屈させること」だという言葉に私は大きな衝撃を受けた。自分はどうなのか。それからは、妻を退屈させない夫であろうと、日々努めている。実はそうしているうちに、この教えは経営トップと社員との間にも通じると思い始めた。なぜかというと、退屈な職場は、社員にとって苦痛でしかないはずだからだ。

現代社会では働き方が多様化し、「職業選択の自由」という権利をより行使しやすくなっている。能力を高く評価してくれる企業への転職、自分らしさを求めた転職など、転職そのものに対するイメージもプラスに転化した。そんな時代において、退屈な職場では人が定着することなどおぼつかない。優秀な人材であればなおのこと、よりやり甲斐のある職場=刺激のある職場へと移っていく。