前回(http://president.jp/articles/-/1717)、67歳の母が経営する飲食店について述べた。母は2号店を出店したが、新しい店を任せているのは1号店を共に育て上げた、同年代の従業員だ。母の気質や商売の仕方を知り尽くした人なら、問題に直面したとき、母ならどう考え、どんな手を打つかを的確に判断し、対応してくれるだろう。
しかし、会計コンサルティングの現場では、新店舗や業務拡大が上手くいっていないケースに直面することがある。その問題の多くは、経営者の考え方、戦略が浸透していないことに起因している。所変われば、商売の仕方も変わる。パート従業員などを起用する場合も、町が違えば人の気質も違う。そんなとき、現場の責任者に経営者の考え方が浸透していれば、経営理念を根幹にしながら、環境に合った対応ができるはずである。
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(高橋晴美=構成 ライヴ・アート=図版作成 )

