新卒入社したリクルートで営業職としてバリバリ働き、出産退職後は資格をとり独立開業。子育てをしつつ再就職した会社でもあっという間に頭角を現し、あるきっかけから取引先の経営に参画。ついにはその会社のオーナーとなって株式上場を実現――。そんな夢のようなキャリアを実現した女性経営者がいる。
食事宅配のポータルサイト「出前館」を運営する夢の街創造委員会(以下「夢の街」)の中村利江会長(45歳)だ。中村氏は2010年6月から、資本提携先のカルチュア・コンビニエンス・クラブでも取締役ネット事業本部長をつとめている。それと同時に、自宅のある大阪から東京へ仕事の拠点を移し、いままで以上のハードワークをこなしている。
「たしかに他人の3倍以上は“濃い”人生を送っていると思います(笑)」
当人は話の内容に反して、おっとりした表情でこう話す。
統計に拠るまでもなく、わが国では女性の経営者や役員は珍しい存在だ。上場企業の全役員のうち女性比率は1%強にすぎない。それでも出身大学別の人数を集計すると、(1)慶應義塾、(2)東京、(3)早稲田の「三強」が突出し、(4)一橋や(5)京都が続く構図は全体の傾向と同じである。