上場企業の女性社長・役員になりやすい大学BEST11
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上場企業の女性社長・役員になりやすい大学BEST11

ところが会社のトップである社長・会長に限ると、三強の出身者もまるで目立たず、出身校はバラバラだ。というのも、女性社長・会長はほとんどが創業者自身か創業者の妻・娘であり、社内昇格や天下りといった一般的な出世ルートをたどった人が少ないからだ。例外はブルドックソースの池田章子社長(実践女子短大)や、イオンファンタジーの土谷美津子社長(高知大・農)くらいである。

そんななか、まったく新しいモデルを示したといえるのが夢の街の中村氏だ。赤字続きだった同社の所有と経営を2億円の借金ごと創業者から引き継ぎ、自らの手腕で上場企業に押し上げたのだ。

中村氏は富山県生まれ。進学校として名高い県立高岡高校から関西大学文学部に進み、仏文学を学んだ。卒業後は学生時代のアルバイト先だったリクルートに入社し、営業を担当。新人ながらノルマの3倍超を売り上げ、新人賞どころか全社のMVPを獲得したという逸話を持つ。再就職先のハークスレイ(ほっかほっか亭の運営会社)でも、入社からわずか4カ月で管理職に昇進したという凄腕だ。

「リクルートで営業を、ハークスレイでスタッフ部門を経験したことが現在に生きています」というのが当人の見立て。加えて、裸一貫から地方ゼネコンを築き上げた祖父の生き方からも多くを学んだ。

そんな中村氏も、仕事社会では女性ならではの苦労を舐めた。たとえば50人の部下を束ねていたハークスレイの部長時代には、一人息子を保育所へ迎えに行くため、必ず夜6時半には会社を出なければならなかった。「女性の同級生を見ていると、バリバリ働いていた人も40代になるとほとんどが家庭に入っています。そんなもったいないことをなくすためには、保育所の整備を進めるだけではなく、積極的な妻は会社に残り、草食系の夫は仕事をやめて家庭に入るという選択がもっと一般的になってもいいように思います」

この提案には、若い男性からも歓迎の声が上がるのではないか。

(ライヴ・アート=図版作成)