国内外ともに文在寅を見捨てる

韓国の「ぼっち政策」が止まらない。融和ムードを演出してきたはずの北朝鮮からフラれて、さぞ意気消沈かと思いきや、今度は日本にナナメから「歴史問題」でケンカを吹っ掛ける。文在寅大統領の不敵な笑みと溢れる野望は孤独感など気にはしてはいない。先進7カ国(G7)首脳の仲間入りを目指してウキウキする姿は、コロナ禍で失われかけているポジティブシンキングの「無双型」と思えるほどだ。来年からは初の空母建造を進める意気軒高ぶりで、数々の迷言や珍言を残す文大統領は今や「生きる伝説」と言えるだろう。冷めきった隣国からの無視や過去最低水準の支持率、足元で湧く在韓米軍の撤退・縮小なんて関係ない。なぜなら彼の名は、そう「文在寅」なのだから。

F-35BライトニングII
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「南北協力こそが、南北が共に核や軍事力の依存から脱却できる最高の安全保障政策なのだ」

8月15日にソウルで開かれた日本からの解放を記念する「光複節」の式典で、文大統領はこのように力説した。北朝鮮の実質ナンバー2である「氷姫」の金与正朝鮮労働党第1副部長から「クズ!」「図々しくて傲慢不遜」などと罵詈雑言を浴びせられても理想を追い求める姿勢は、パワハラの危険性と隣り合わせの中間管理職を発奮させるかもしれない。米国のジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)は文大統領が北朝鮮への軍事オプションについてトランプ大統領と協議していたと暴露しているが、それとの整合性をも忘れさせるだけの力を文大統領は持っているのである。北朝鮮のみならず、「おまいう」と批判する向きはまだまだ「文在寅通」とは言えないだろう。