コントローラーの数字とアルファベットを操作して、ロボットに指令を送る。すると、両手でさっと紙コップを抱え上げ、よいしょ、よいしょと運んでいく。滑らかな歩き方とはいえないが、ユーモラスな動きに思わず、にやっとする。
写真左から、米田陽亮エキスパート、渡辺公貴グループリーダー、苑田文明エキスパート。苑田は同社に入社前に、映画業界でSFX(特殊撮影)の現場も経験した。出身学部は教育学部の美術専攻。アイソボットの動きには、それらの経験が少なからず生かされている。渡辺も大手時計会社を経て同社への転職組。“現代からくり三銃士”は異色な経歴の集合体ともいえる。
ロボットの一連の動作を見ながら、ふと、からくりの「茶運び人形」を思い出した。からくり儀右衛門の異名を取り、東芝の創業者でもあった田中久重のあの傑作である。1世紀後の“現代からくり三銃士”が味わったロボット製作の戦いの軌跡に迫ってみたい。
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(川本聖哉=撮影)

