相談者からの電話「昨年に相談したAです。ひきこもりのAです」
初回相談の数カ月後、電話が鳴りました。
「昨年に相談したAです。ひきこもりのAです」
「あ、Aさん、覚えていますよ、お元気でしたか」
「はい。それで……ひとり暮らし始めました」
「おめでとうございます!」
2回目の相談内容は、
●お金をどのように管理したらよいかわからない
●家計簿がつけられない
●お金を使い過ぎているのかどうかがわからない
でした。
電話で話したときに、相談の日はひとり暮らしをしている賃貸アパートに来てください、とのことだったので、少しワクワクしながら伺いました。部屋には母親もいました。
開口一番、私は、「お金の管理をしっかりしようとしすぎると疲れます」と伝えしました。
管理となると、結果を集計し分析し、次にどうするかの対策を考えるまでしないと意味がないからです。「お金の管理」を初めてのひとり暮らしで実践するのはかなり難しいです。
そこで筆者が提案したのは、「ズボラ家計簿」です。やり方は至って簡単です。エクセル表の縦にレシートの金額と通帳から引き落としされている金額をひたすら入力して、1カ月たったら合計する、ただこれだけです。
これを数カ月繰り返すと、毎月合計でいくら使っているのかがわかります。
現在、Aさんには月初にメールで集計されたエクセルを送ってもらい、その集計を見て感じたことを文章で書いてもらっています。家計も徐々に安定してきて、シミュレーション通りとはいかないものの、親のサポートを受けつつ、新しい一歩を踏み出しています。
まだ始まったばかりのお金の管理ですが、これからも継続的に見守っていきたいと思います。