女性は、世界人権デー、自由概念だけでも、悲しみ、感情的な暴力を停止します。
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ベルリン国際映画祭で最高賞を受けた話題作

先日ようやく、映画『タッチ・ミー・ノット~ローラと秘密のカウンセリング』を観た。2018年の第68回ベルリン国際映画祭で金熊賞(最高賞)を受賞した話題作。アディナ・ピンティリエ監督はルーマニア出身で、本作品は彼女の長編作品デビュー作である。数々の有名監督の話題作をおさえてほぼ無名の監督が金熊賞を取ったことは、賛否両論を巻き起こしたという。作品は当初、この20年6月6日に公開される予定だった。しかし、新型コロナウイルスの影響で通常通りの公開が難しくなり、オンライン上の「仮設の映画館」での先行公開とミニシアター公開を両立させるとしてクラウドファンディングを行っている。

不思議な癒やしの力を持つ映画だ。監督と俳優、作品と観客のあいだに双方向の対等な働きかけが生まれる。主人公はローラ。入院している高齢の父親を抱えている。監督は、女優ローラ・ベンソンに、この実験的映画に参加するように依頼。俳優と役柄の名前が一緒であるがゆえに生じる混乱と、そして俳優たち自身がカウンセリングを受けるようにして解放されていく過程とが、現実と創作の境界線を壊していく。