今の僕たちに必要なのは「加速主義」だ

新型コロナウイルスの猛威が世界的に続いている。東京オリンピック、パラリンピックは2021年に延期され、安倍晋三首相が「緊急事態宣言」を行った。

緊急事態宣言が発令される国家的な危機も見方を変えれば社会を前進させる好機だ。
時事通信フォト=写真
緊急事態宣言が発令される国家的な危機も見方を変えれば社会を前進させる好機だ。

業態によっては営業の短縮、休止を余儀なくされるなど、影響が広がっている。

この原稿を書いている時点で、今後がどうなるか見通しにくい。経済だけでなく、社会生活全般にどこまでダメージが及ぶかわからない。

このような状況で一番大切なのは何と言っても一人ひとりの健康と命。優先順位を見極めて、十分な注意を払う必要があるだろう。

一方で、「ピンチ」を「チャンス」に変えるのが人間の脳の強靭さ。100年に1度とも言われるこの危機をきっかけに、少しでも日本が、そして世界が発展する工夫をしたい。

最近、「加速主義」という言葉が注目されている。もともとは、あるシステム、体制の矛盾や問題点を乗り越えて「次」のステージに行くためには、そのやり方を邪魔をせずに突き詰めてしまえばいいという考え方である。

例えば、現在の資本主義の次に来る社会をもたらすためには、資本主義の力学を発展させてしまって、行き着くところまで行けば、その先のやり方が見えてくるし、社会にも受け入れられるだろうと考えるのである。