コロナ危機を好機に変える「楽観力」

新型コロナウイルスの感染が広がっている。大変な危機ではあるが、リスク対応の課題を脳の働きから見ると、それは危機であると同時に学習のチャンスであるとも言える。

新型コロナウイルス感染拡大の象徴となってしまったダイヤモンド・プリンセス号。市中感染が広がる恐れのある今、試されているのは私たちの気の持ちようだ。
毎日新聞社/アフロ=写真
新型コロナウイルス感染拡大の象徴となってしまったダイヤモンド・プリンセス号。市中感染が広がる恐れのある今、試されているのは私たちの気の持ちようだ。

今回のような事態があると、どのようなことが起こりうるのかということには不確実性がたくさんある。ある程度確実に予想できることもあれば、どうなるかわからないこともある。

不確実性を前提として、起こりうるさまざまな出来事に対して準備をしておくことが、緊急時対応計画(コンティンジェンシープラン)である。

いざというときの人員の配置計画、物資の輸送計画、予算措置、一人ひとりの役割分担、行動計画など、いろいろとシミュレーションして準備しておくことで、いざというときの安心安全につながっていく。

あらゆる可能性を網羅する計画を立て、準備をしておくこと、また、データや知見に基づいてさまざまな予想を行うことは、リスクの対策になるだけでなく、ビジネスの局面でも役に立つ。

例えば、市場の動向に応じて、商品やサービスの生産、供給の計画を立てたり、その際の人的資源の準備、展開を考えたりするような場合と、緊急時対応計画とは、脳の使い方が基本的に同じである。