「ポスト偏差値」はスクールカラーだ

グローバル化や、人工知能の発達などの状況を受けて、世の中の価値観は変化しつつある。教育においても、ペーパーテストの点数に基づく「偏差値」という基準はすでに崩壊し始めている。

大学間の競争は新たなフェーズに突入している。
日刊スポーツ/アフロ=写真
大学間の競争は新たなフェーズに突入している。

これからの時代に大切になるのは各学校の特色、いわゆる「スクールカラー」であろう。それぞれの学校がどのような基準で生徒を募集して、何を目指して教育をするのか。教育機関が個性の競争をする時代が始まっている。

東京の大学で言えば、「早稲田」と「慶應」はそのスクールカラーの対照が興味深い。私学の両雄として、競い合い、並び立つ両大学だが、そこには良い意味で個性の切磋琢磨があるように思う。

私自身、早稲田や慶應の教授陣には知り合いがたくさんいるし、授業を持ったり、学生さんと話したりした経験がある。そんな中で私がつかんだ両大学の特徴は次のようなものだ。

まず、早稲田は、しばしば言われるように「在野精神」が強い。東京大学に、良くも悪くも明治時代に国策で創設された「官製大学」の色が残っているのに対して、早稲田の学内には、政府や官僚というものから距離を置く精神性、気骨がある。ジャーナリズムを志望する学生も多い。