医師に命の選択を委ねれば、医師も深い傷を心に負うことになる。哲学者でドイツのボン大学教授のマルクス・ガブリエルは、

「『命の選択』の責任を医師に負わせてはなりません。誰を助け、誰を見捨てるか、その基準は政府が決めるしかない」という。

だが、言葉は悪いが、今のクソのような政権に、私の命を委ねる気は全くない。

高齢や貧困というだけで“選別”するのは民主主義国家ではない

日本も含めた世界中で、コロナに感染して死亡する人のほとんどが50歳以上と貧困者である。

90歳で老後を心配する人がテレビに映ると「『オイ、いつまで生きてるつもりだよ』と思いながら見てました」と暴言を吐いた副総理がいるこの国では、「60歳以上のコロナ患者は治療の必要はない」と切り捨てられる可能性は十分ある。

私が為政者なら、重症化しやすい高齢者のPCR検査を速やかに実施して、陽性反応が出た人は入院・治療する。そうすることで、死亡者を大幅に減らせるはずだ。貧困者にも同様のやり方をする。

陽性だが、治療の必要のない若者は、GPS機能の付いた機器を持ってもらって、何かあればすぐに入院・治療させる体制をとることで、この緊急事態をしのぐという案はどうだろうか。

真に恐れるべきは、感染の拡大ではなく、死亡者の増大であるはずだ。助けられる命を、高齢や貧困というだけで“選別”するのは民主主義国家ではない。

私は、新型コロナウイルス肺炎にかかったら、入院したいと思っている。重症化していったら、意識のある間に、集中治療室や血液に酸素を注入する「体外式膜型人工肺(ECMO=エクモ)」はしないでくれと意思表示をする。

自分の死に際は、自分が心得ている。無駄な延命は必要ない。それぐらいの覚悟はあるつもりだ。

人生の坂には、上り坂、下り坂に加えて「まさか」という坂がある。そのまさかが起きた時こそ、自分たち一人一人の生き方、死に方が問われることになる。今の為政者に、何も期待はしないが、人間の命を粗末に扱うことだけは絶対やめてもらいたい。(文中敬称略)

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