「寝だめ」で、疲れは取れない

だからこそ、「週末に寝だめ」という考え方も出てくるのですが、結論から言うと、寝だめで睡眠不足は解決しません。むしろ、寝すぎることで副交感神経が上がってしまい、自律神経が乱れてしまいます。

長すぎる睡眠はかえって体に疲労を蓄積させ、倦怠けんたい感が増します。体内時計もずれてしまいますので、夜の寝付きが悪くなり、次の日の朝、気持ち良く起床することができません。寝だめすることで、自分で「時差ボケ」状態を作り出してしまっているのです。「睡眠負債」は、入浴を工夫するなど、1日ずつ返していくのがいいのです。

大事なのは、副交感神経と交感神経のバランスを崩さないこと。言い換えれば、平日と休日の生活バランスを同じにすることなのです。

とはいえ、休日まで、平日のように過ごしたくありませんよね? だからこそ、「平日にはできない予定を入れる」といいのです。

例えば映画やコンサート、美術館に行く。読書三昧というのもいいでしょう。部屋の片付けもお勧めです。きちきちのスケジュールを決めず、「今日はこのひとつ」という予定を決め、それを楽しむのです。

平日にできないことをしたことで、充実感と達成感が得られます。「ゆるやかな計画」であれば、「スケジュールをこなさないといけない」という心的圧迫もありません。行動しているので寝付きも良くなり、月曜の朝の目覚めも爽快でしょう。

「2時間の早起き」が休息になる

日々、忙しくても、短時間で効果的な休息をとれたとしたら、助かりますよね。そういう時は休息をとる時間帯を変えてみてください。

思い切って早起きしてみるのはどうでしょうか。

1日のはじまりの2時間を「自分の時間」にするのです。

普段6時に起きているなら、朝4時に起きてみる。8時起きなら6時、夜勤で午後4時まで寝ているなら午後2時といった具合に、「いつもより2時間早く起きる」のです。

もちろん、毎日は難しいでしょう。普段6時起きの私は、週1日と決めて、朝4時に起きています。

これは格別な2時間です。

冬だとまだ外は真っ暗で、車も滅多に通りません。家人もまだ起きてきません。たったひとり、丁寧に入れたコーヒーをゆっくり味わいます。

誰にも邪魔されない自分だけの時間です。何をしても構いません。その日の予定を確認するのもいいでしょう。読みたかった本を読むのもいい。休日の計画を立ててみるのも楽しいかもしれません。

体験してみると、まるで丸1日休んだかのようなリフレッシュ感を味わうことができます。「十分な休息をとれた気がしない」という不満は、雲散霧消するでしょう。