二日酔いを避けるには、どんな飲み方が効果的なのか。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は酒1杯に対して、水1杯を鉄則にするといい。水を飲むと胃結腸反射が起こるので、深酒で吐き気を催すことも避けられる」という――。
※本稿は、小林弘幸『不摂生でも病気にならない人の習慣』(小学館新書)の一部を再編集したものです。
お酒は飲めば飲むほど「脱水」が進んでしまう
深酒の何が悪いかと言えば、次の日にダメージが残ることですよね? 私もそういう経験があります。深酒はしないにこしたことはありませんが、「つきあい文化」も残っていますから、そうも言っていられません。
ではどう対処するか。ダメージを最小限にする簡単な方法があります。それは、「酒1杯に対し、水1杯の割合で飲むこと」です。こうすることで、翌日に残らないお酒の飲み方ができるようになります。
具体的に解説しましょう。
アルコールが体内に入った際、肝臓で分解されていることは皆さん、ご存じだと思いますが、実はこの分解・解毒のプロセスで、水分が消費されてしまうのです。ですから、アルコールをとればとるほど、脱水が進んでしまうのです。しかも深酒をすると、大量のアルコールが分解しきれずに体内に残ってしまいます。寝ている間に、徐々に分解・解毒をしていくのですが、この過程で水分を消費していくのです。
翌朝、強い喉の渇きを感じることがありませんか? これは、寝ている間に脱水症状になっていた、ということなのです。
脱水が進むとどうなるでしょうか? 血管が収縮し、血流が悪くなりますので、頭痛や下痢、倦怠感などを引き起こします。いわゆる二日酔いの症状ですね。疲労感や倦怠感の原因は、末梢の血液不足から来ているのです。