「酒1杯に対し、水1杯」がいい

そこで、「酒1杯に対し、水1杯」です。これによって、分解で消費される水分を補うことができますので、アルコールによる脱水を防ぐことができます。

また水を飲むことで、消化器の麻痺を防ぐこともできます。

アルコールには興奮作用があるので、飲むと交感神経を刺激し、副交感神経を低下させてしまうのです。副交感神経と腸の働きは連動していますので、お酒を飲み過ぎると腸の動きが止まってしまいます。深酒で吐き気を催すのは、腸の動きが止まってしまい、逆流してしまうことが原因なのです。

水を飲むと、胃結腸反射が起こりますので、ゆっくりですが腸は動きます、腸が動いていれば、吐き気も起きずに済みますし、副交感神経も刺激されるので、極端に副交感神経が下がり、自律神経のバランスが崩れるということもありません。

「お酒」と「睡眠」を両立する方法は

眠る前にお酒を飲む、という習慣の方がいます。

酔うと寝やすい、と勘違いしているのだと思いますが、これはまったくの誤りです。今、お話ししたように、アルコールは興奮剤です。体内にアルコールが残ったままで寝ると、血管が収縮し、心拍が高い状態が続きます。興奮した状態が続く、というわけです。興奮した状態で、良質な睡眠が確保できると思いますか? つまり、寝酒の習慣のある人は、実は深い睡眠ができていない可能性が高いのです。

では、お酒と睡眠を両立させるためにはどうしたらいいでしょうか。

「酒1杯に対し、水1杯」はもちろんのこと、食事同様、遅くとも寝る3時間前までに飲酒を終えておくことです。それが難しい場合は、せめて寝る1時間前までは、口にするものは水だけにしてください。

飲酒後すぐにベッドに直行することはもってのほかです。寝る前には、カフェインフリーのハーブティーやホットミルクを飲むと、眠りが浅くなることを防ぐ効果が期待できます。特にミルクには、快眠に繋がるアミノ酸の一種「トリプトファン」が多く含まれています。