東京電力による「計画停電」が、日本産業の生産活動を痛撃している。その右代表が大手半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスだ。同社は2010年4月に、日立・三菱電機系のルネサステクノロジとNECエレクトロニクスの合併で誕生。自動車や電子機器を制御するマイコンやシステムLSIに強い。震災直後は8工場が停止し、今でも3工場で停止状態が続く。

震災の直接的な被害が大きかったのが、最先端の生産設備を保有する那珂工場(茨城県)。さらに高崎工場(群馬県)、甲府工場(山梨県)は、計画停電の影響で生産を再開できていない。後述する「前工程」の生産能力の実に4割が失われている。