死とは何か。私は20代だが、寝る前にふと疑問に思うことがある。死とは突然やって来るもの。そう思うと何だか怖くなって眠れなくなる。あぁ神様……私だけが死なないようにしてもらえませんか。
編集部員Y
プレジデント編集部員。29歳男性。既婚。とにかく死ぬのが怖いと思って生きているが、偶然に手塚治虫作品に出合う。

絶対に死にたくない若き編集部員の言い分

私は死にたくない。そんなことを言えば、なんて情けない人なんだと思う人がいるだろう。臆病者だと言う人もいるだろう。しかし、心の底から“死にたい”という人はいないはずだッ。

手塚治虫『まんが「火の鳥」に学ぶネガティブな世界からの羽ばたき方』(プレジデント社)
手塚治虫『まんが「火の鳥」に学ぶネガティブな世界からの羽ばたき方』(プレジデント社)

飛行機に乗るときも、ウソか本当かは知らないが、一番後ろの席に座ったほうが万が一のときに生存確率が高いというならそうするし、挙動が怪しい車や人がいたら距離を取る。駅のホームで電車が来るのを待っているときも、誰かに押されたとしてもホームの下に落ちない距離を保っている。最近流行している新型コロナウイルスも、感染しないためならマスクやアルコール消毒はもちろん、電車やカフェで咳をしている人が隣に来たら立ち上がる。

死んだら、すべてが終わりなのだ。確かに、死によって辛い思いや嫌なことからは解放されるかもしれない。しかし、家族や友人、仕事仲間にも会えなくなるし、今までの記憶もパーになるだろう。それに、死後の世界はよくわからなくて怖い。今まであった意識がなくなるというのは、どういうことなのかを考え始めるだけで不安になる。

「火の鳥」黎明編