離檀料400万円請求トラブルも!

父親の田舎にあるお墓には、両親と祖父母が眠っているものの、長男の自分は都会に住み、墓参りもなかなかできないでいる――。

こんな悩みを抱える人が増えるなか、日本人のお墓に対する意識も大きく変化しているようだ。大阪で墓石販売や霊園運営を手がける霊園・墓石のヤシロが2018年に49~74歳の男女・約2万5000人を対象に行ったネットアンケートによると、先祖代々のお墓を継承したいと考える人は全体の40.5%にとどまった。その継承を望んでいる人でも、お墓を自分の子どもに継いでほしいと願うのはわずか17.1%。つまり、2万5000人のうち6.9%の1700人強しか、お墓を子どもの代までつなぎたいと考えていない。

こうした意識の変化を反映して近年増えているのが「墓じまい」である。これは従来の、古いお墓を処分して新しいお墓を建て直す「建て替え」や、田舎にあるお墓を新しい墓地に移す「引っ越し」に次ぐ、「第三の改葬」とも呼ばれている。前者2つとの大きな違いは、いまあるお墓を撤去してしまい、新しいお墓を建てないこと。お墓から出した遺骨については、他の複数の人の遺骨と一緒に埋葬する「合祀墓」や「共同墓」に葬る人が多い。そして「墓じまい」というネーミングを考案して世に広めたのが、先述のヤシロの社長の八城勝彦さんなのだ。