ギャラを3~4割、事務所に抜かれ続けて

しかしながら、事務所にギャラの3~4割を抜き取られる日々が続くと、次第に不満がたまってくることは容易に想像できる。なかには9割取られる事務所もある、とも報じられている。一方で、仮に売れているのがタレント1人程度の事務所に、とくに売れてもいないその他のタレントが十数人もいたら、正直なところ売れっ子のギャラを3~4割を抜く程度では運営もギリギリになることだろう。結局、その売れている1人に頼り切りとなり、他はどうにか「売れっ子のバーター」で露出を増やしていくしかない。

育ててもらった恩、仕事を獲得してきてくれた恩は感じつつも、ギャラの中間搾取に悩む売れっ子タレントと、ごく一部の売れっ子に頼り切りで、万が一独立でもされようものなら一気に経営が火の車になってしまいかねない事務所。それが人気芸能人と事務所のあいだでわりとよく見かける関係性なのである。

独立劇が目立つ最近のジャニーズ

そうはいうものの、近年、売れっ子芸能人の独立が目立つのも事実だ。とりわけジャニーズ事務所の所属タレントが目につくが、筆頭は元SMAPの3人──稲垣吾郎・草なぎ剛・香取慎吾による「新しい地図」だろう。

独立後、3人での活動を開始してから2年5カ月ほど経過した彼らだが、香取慎吾が週刊誌『女性セブン』のインタビューで「3人で話したことが全部叶った」と語っているように、順風満帆な第二の人生を送っている様子だ。香取以外の2人にしても、SNSやブログで充実した生活を報告しており、「ああ、ようやく自由になったのだな」「身軽になれてよかったね」と言いたくなる。

その他にも元KAT-TUNの赤西仁に億単位の収入があると報じられたり、元関ジャニ∞の錦戸亮が再始動後に順調な滑り出しを見せたりと、話題には事欠かない。ジャニーズに絡む話題としては、2020年をもって活動休止となる嵐の動向も注目されているところだが、このままいくとジャニーズは「超絶優秀な人材育成機関、かつ抜群の売り込み力とタレントブランディング力を備えたプロ集団」といった様相を強めていくのかもしれない。そうなると、入所前からすでに独立後のことまで視野に入れつつジャニーズに所属し、芸能人としてのキャリアプランを長いスパンで考えるような人まで出てきてもおかしくはないだろう。