中学受験ですべてが不合格となり、公立中学へ進む子がいる。親はどう接すればいいのか。教育専門家の小川大介氏は「大事なのは結果ではなく、プロセスだ。受験勉強を通じて成長した部分が子どもにも親にもある。それを振り返ってほしい」という――。
※本稿は、小川大介『親も子も幸せになれる はじめての中学受験』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。
自分たちの選択に胸を張っていい
中学受験ですべてが不合格となり、公立中学へ進む子がいます。小学校生活の半分も受験勉強を頑張ってきたのに、どこにも受からなかったなんて「かわいそう」という目を向ける人もいますが、この記事をお読みになっている親御さんなら、夫婦でしっかり“子育てのビジョン”を話し合った上で、受験校を決めていってくださることでしょう。
私立と公立には、それぞれメリットとデメリットがあります。
お子さんを中心に考えたとき、公立中学には致命的なデメリットがあると思ったなら、万が一のことを考え、受験校の数も多めに用意をしていたと思います。
いわゆるお試し受験から始めて、確実に合格を押さえる学校とややチャレンジの学校など併願校選びも丁寧に行ったご家庭は、入試時期の気持ちのフォローと健康管理だけ気をつけていれば、全落ちということはまず考えられません。
一方、そこまでの致命的なデメリットはないけれど、私立のほうが“魅力がある”と感じて中学受験を進めてきたご家庭は、受験校も「ここならぜひ入れたい」という学校に絞ったのではないでしょうか。
そういう場合は、仮にすべてが不合格になったときは、公立中学に進学すると決めておいたのではないかと思います。ですから、周りの目がどうであろうと、「うちはこういう選択をした」と、胸を張ればいいと思います。