どうすれば子どもの学力を伸ばすことができるのか。東京学芸大学附属世田谷小学校の教諭・沼田晶弘氏は「子どもの学力を上げることではなく、自分がどれだけ頑張ったかばかり気にする人が多い。それでは子どもの学力は伸びない」という——。

※本稿は、沼田晶弘『世界標準のアクティブ・ラーニングでわかった ぬまっち流 自分で伸びる小学生の育て方』(KADOKAWA)を再編集したものです。

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「熱血指導」はいいのか悪いのか

世の中に無数にある「かくあるべき論」。

それが子どもにとって必要かどうかを見極めるときに忘れてはいけないのが、今の時代に合っているかどうかを考えることです。昔の正解が今も正解とは限らないのと同様に、親の時代には常識だったことが、今の時代には非常識になっていることがたくさんあります。

例えば、今、高校野球では、高校球児のために球数を制限したほうがいい、甲子園や地方大会で一人の投手に投げ続けさせるのは肩や肘を壊す原因になるからよくないといったことが話題になります。これも昔と今の価値観が変わってきている例の一つだと思いますが、では皆さんは、今、「熱血指導」という言葉を聞いたら、どんな感情を抱きますか?

部活動などでの体罰問題が増えるにつれ、「熱血指導=体罰」をイメージしてしまう人がきっと増えたのでしょう。今は、どちらかと言うと、熱血指導が悪い意味で使われていることのほうが多いような気がします。

ボクは、純粋な意味での熱血指導は、決して悪いことだと思っていません。「純粋な意味での」と言ったのは、一つだけ条件があり、それは熱血指導が科学的根拠に基づいているかどうかが問題だと思ったからです。

昔の部活動でよく見られた、「バテるから練習中は水を飲むな」と言った指導や、確実に膝に悪い影響を及ぼす「ウサギ跳び」などは、科学的根拠のない熱血指導です。先の投手の肩や肘を壊すといった問題も、もう何年か経てば科学的根拠に基づいた結論が出ると思います。