KPIは「子どもの学び」に置く

そして、ボクがまず行ったのは、とにかく子どもたちに塾に来いと伝えたことでした。当時、塾と言ってもやんちゃな子たちがいて、無断欠席をする子が数名いました。その子たちに、「遅刻してもいいし、早退してもかまわないから、塾に来い」と何度も言うと、彼らはラスト15分だけのときもありましたが、しっかり来るようになったのです。

沼田晶弘『世界標準のアクティブ・ラーニングでわかった ぬまっち流 自分で伸びる小学生の育て方』(KADOKAWA)

きっと、彼らは塾を休んだら、家では1分も勉強しないでしょう。けれど、塾に来れば、90分の授業のうち、最低でも10分はしてくれるはずです。0分と10分、結果は一目瞭然ですよね。

このとき、ボクが行ったのは、自分が頑張って授業の内容をよくしたのではなく、子どもたちを塾に来させて、来てくれたらいかに子どもたちに楽しんでもらえるかを考えただけです。つまり、KPIを自分の頑張りではなく、子どもの学びに置いたことが、結果として、子どもたちが自ら学べる環境づくりにつながったのだと、今では思っています(当時は知らなかったけど(笑))。

だからこそ、KPIを「自分の頑張り」ではなく、「子どもの学び」に置くことが、子どもが自分で伸びるうえで重要だと思っています。その思いは、小学校の教師となった今もずっと持ち続けています。

【関連記事】
子供が見違える「短い声かけフレーズ10」
「教育熱心な親の子」が4年生で潰れる根本原因
教師が「小学1年生のイライラ」を鎮める奥の手
努力家で高学歴な両親が陥る「教育虐待」のワナ
モンスター親をふるい落とす名門校の質問