日本で最もカレールウの購入金額と購入数量が多いのは鳥取市だ。なぜ鳥取ではカレーが人気なのか。カレー総合研究所の井上岳久所長は「米どころでラッキョウの生産量が日本一。それに加えて、女性の就業率が高いことが影響しているのではないか」という――。

※本稿は、井上岳久『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)の一部を再編集したものです。

写真=時事通信フォト
新品種のコメ「プリンセスかおり」でカレーを食べる鳥取県の平井伸治知事=2017年12月19日、鳥取県庁

ルウの購入金額・数量で全国トップ

日本で一番カレーを食べるのは、どの都市でしょうか?

普通に考えれば、人口が多く、さまざまなカレー店がひしめく東京や、同じく人口が多く庶民派カレーの王道を行く大阪、あるいはスープカレー誕生の地でもある札幌などをイメージされるでしょう。

しかし、残念ながら、どれも不正解。

日本で最もカレーの消費量が多いのは、鳥取市なのです。

総務省が毎年行っている家計支出調査(対象は県庁所在地と政令指定都市)では、2016~2018年におけるカレールウの購入金額と購入数量の平均で、鳥取市が1位となっています。

カレールウの購入金額を見ると、意外にも、大阪市は37位、東京都区部は47位となっています。

画像=『カレーの世界史』