実家の「子供部屋」で暮らす独身の男性を指す「子供部屋おじさん」というネットスラングが注目を集めている。パラサイトシングルを取材している子育てアドバイザーの鳥居りんこさんは「子供部屋おじさんは収入があることが多いが、『子供部屋おばさん』は家事手伝いで無収入のケースが多い。その場合、親亡き後は生活に困窮してしまう」という——。
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パラサイトの果ての「子供部屋おじさん」「子供部屋おばさん」

12月18日、東京春闘共闘会議と東京地方労働組合評議会が「最低生計費調査」の結果を発表した。それによると、都内で単身者(25歳)が普通に生活するためには、生活費の節約を重視した「北区モデル」の男性で月額24万9642円、女性で同24万6362円という結果が出て、都内の最低賃金1013円では足りない実態が浮き彫りになった。

つまり、最低賃金では都内での一人暮らしは困難だということになる。

「少なくとも最低賃金は1500円でないと、普通に暮らすことはできない」という今回の結論に東京地方労働組合評議会などは関係各所に働きかけるということだが、やはり政府がいくら景気は良いと発表しても、個人の所得が増えなければ好景気という実感を抱くことはできないのだ。

また、こんな調査もある。総務省統計研究所「親と同居の未婚者の最近の状況(2016年)」によれば、実家暮らしをしている35~54歳の独身者は国内に約446万人いる。

近年、中高年のひきこもりが大きな社会問題となっているが、それとは別に、ひきこもりではないものの実家にパラサイト(寄生)し続けている中高年男性または女性の存在が話題になっている。彼らは、小さい頃から慣れ親しんだ実家の自分の部屋(勉強机や家具、書棚も当時のままということもある)にいるので「子供部屋おじさん」「子供部屋おばさん」と呼ばれる。ネット上には、「こどおじ」「こどおば」との略称も存在する。