マラソン前に取り入れてほしい「セット練習」の中身

そしてマラソン前に一度は取り入れてほしいのが、2日連続でトレーニングする「セット練習」だ。土日を活用すればできるし、金曜日の夜と土曜日の朝でもいい。初日に脚を疲れさせておき、そのダメージが残るなか、2日目に12kmを走るメニューになる。これはレースの30km以降をシミュレーションしている。

初日のお勧めはハイキング。山道を歩くことで、脚にいい感じの筋肉痛をつくることができる。山に行けない方は、15~20kmのランニングを実施しよう。

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メインは翌日の12km走なので、ペースについてはさほど意識する必要はない。翌日の12km走もペースは考えなくていい。ただし、本番の30km以降を想定しているので、フォームが崩れないように気をつけて確実に走ろう。

レースまで3週間を切ったら、「コンディショニング」に重点を置く。走行距離を減らしていき、キレのある身体を作っていくのだ。この時期(お勧めはレースの10日~2週間前)に実施したいのが、スタートから25kmまでを意識したトレーニングだ。

具体的に何を行うかというと、距離12~16kmのランニングだ。レース本番と同じように、簡単な準備運動だけで走りだして、徐々にペースを上げていく。そして、2kmからはキロ5分10秒をキープして走る。

本番への自信をつけるために、レースのペースよりも1kmあたり10秒ほど速く走り、「まだまだ走れそう」というくらいで切り上げる。この刺激を入れておくことで、本番では楽に25kmまで走ることができる。オーバーペースの準備をしておけば、オーバーペースにはならないのだ。

スタートラインに立つとき、結果の9割は決まっている

この「セット練習」と「コンディショニング重視の練習」はレース本番を意識したメニュー。人間は一度、刺激を与えることで、同じような刺激が来たときに対応できるような“仕組み”になっている。あとは本番でシミュレーション通りの走りをするだけいい。

スタートラインに立ったときには、結果の9割は決まっている。市民ランナーは、誰かと競う必要がないため、自分のココロとカラダを「コントロールする」ことが重要だ。なんとなく長めの距離を走るのではなく、明確な意図のもとトレーニングして、自信をつけよう。そして、“ハッピー・フィニッシュ”を迎えていただきたい。

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