腰が痛い。でも医者に行っても治らない。どうしたらいいのだろうか。「プレジデント」(2019年11月15日号)では、全国から悩める患者が集まる福島県立医科大学の医師たちに対処法を聞いた。第4回は「腰部脊柱管狭窄」について――。(第4回/全6回)
新しい治療薬が選べるように
腰部脊柱管狭窄(以下、脊柱管狭窄)は文字どおり、腰椎の脊柱管が狭くなってしまう病態のこと。その結果、脊柱管を通っている神経が圧迫され、腰や足に痛みやしびれといった症状が表れることがあるわけです。骨や靱帯の変性による腰痛の代表格といってもいいでしょう。
脊柱管が狭まる主な原因は加齢です。従って、脊柱管狭窄は高齢者に多く、社会の高齢化に伴って増加しています。
脊柱管狭窄には、特徴的な症状があるため、比較的見分けやすいといえるでしょう。特徴的な症状の1つが後屈姿勢を取ったとき、すなわち背中を反らせたときに痛みやしびれが強まること。これは後屈姿勢を取ると、脊柱管が狭くなるので、中の神経が圧迫されやすくなるためです。反対に前屈姿勢を取ると、脊柱管が広くなるので痛みやしびれが軽快します。そのため、高齢の脊柱管狭窄の患者さんでも、自転車に乗ったり、シルバーカートに寄りかかって歩いたりすることは、楽にできるのです。