腰が痛い。でも医者に行っても治らない。どうしたらいいのだろうか。「プレジデント」(2019年11月15日号)では、全国から悩める患者が集まる福島県立医科大学の医師たちに対処法を聞いた。第3回は「椎間板ヘルニア」について――。(第3回/全6回)
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骨や軟骨の変性による腰痛の代表格として、真っ先に挙げられるのが、腰部椎間板ヘルニア(以下、椎間板ヘルニア)でしょう。腰椎は、「椎骨」という骨が連なっていて、椎骨と椎骨をつないでいるのが、「椎間板」と呼ばれる軟骨。腰を曲げたり、伸ばしたりするとき、腰椎をスムーズに動かせるように、クッションの役割を果たしています。
ところが、椎間板を覆っている「線維輪」の一部が膨らんだり、線維輪の裂け目から「髄核」という椎間板の中身が飛び出たりするのが椎間板ヘルニア。「ヘルニア」とは、ラテン語で「はみ出した状態」といった意味です。ヘルニアが、背骨の中を通っている神経を圧迫したり、炎症を引き起こしたりするので、腰や足の痛みやしびれが表れるわけです。ただし、ヘルニアがあっても、腰痛になるとは限りません。腰痛を経験したことのない青年・壮年の画像検査をしたところ、なんと76%の人にヘルニアが見つかったという調査もあります。