愛される秘密は独特すぎるチャーミングさ
貼られているといえばサンプルケースや店内には「おそばを食べても太らない」というメッセージまでデカデカと貼られています。そばは確かにラーメンよりはカロリーが低く、うどんや米よりはやや低糖質でミネラルも多少は多いかもしれませんが「太らない」と言い切るのは企業コンプライアンス的にどうなのか少し心配になります。
でもそんな野暮なことを指摘する人は誰もいないようです。「うん、言い方には問題があるような気もするが言いたいことはよくわかるぞ」と皆、温かい眼差しで見守っているのでしょうか。
富士そばは、首都圏エリア限定とはいえ、現在約130店舗を展開する大チェーンです。堂々たる優良企業です。それでいて、言うなれば人情味溢れるたたき上げのオヤジ(演歌好き)がその独特すぎる感性を店の隅々まで行き渡らせた、個人店の空気を濃密に残した店。東京の人は皆、富士そばが大好きだと思います。私ももちろん大好きですから、普段生活している名古屋にもぜひ進出してほしいと思っています。
むろん、東京ほどの人口密度がない地方都市では運営的に難しい部分もあるかもしれませんが、どんな街でもあの愛すべき独特さは多くの人を惹きつけるのではないでしょうか。なので、今後もし富士そばが首都圏エリアを飛び出して全国区に進出するとしても、変に洗練されることなく、独特すぎるチャーミングな濃密さを保ち続けてほしいと切に願っています。