想定外にわが子が全員独身で孫ゼロの場合、親子3世代の賑やかで幸せそうな様子を目にすると哀しいかな、妬んでしまうらしい。実際はどこの家にも苦労や心配の種があるのですが、それが見えない。

コミュニケーションで嫉妬心の芽を摘み取る方法

コミュニケーションで嫉妬心の芽を摘み取る方法をいくつか覚えておきましょう。まず、相手の話を傾聴すること。「あなたの息子は結婚して孫も生まれてうらやましい」とこぼされても、「そんなことはない」と話の腰を折らないことです。相槌を打ち、話が尽きるまでよく聞くだけで、不満解消の手助けになります。

第2に、投げ返さないこと。「君の家族は理想的だ」と言われて「あなただって云々」と返すと、延々と愚痴の蟻地獄に陥りやすい。「君の言うとおりだ。僕は恵まれている」とボールを受け取ったままにすれば終了します。

第3に方法論を尋ねられても安易に答えないこと。「うちの子はどうすれば結婚するだろうか?」なんて質問に正面から答えると、上から目線と受け取られ、かえってこじれます。そんなときは、たわいもないワイドショーネタが便利かも。「そういえば滝クリと進次郎が結婚したね」などと話題を逸らしましょう。

私には、年上の「孫のいない」親友がいます。独身でバリバリのキャリアウーマンで、子どもには無縁の彼女に緊急事態で無理矢理赤ん坊の孫を預かってもらったことがあります。漂う緊張感の中、同じ絵本を10回も20回も読み返すうちに孫は「おばちゃま」にすごくなつき、彼女も喜んでかわいがるようになりました。今では家族同様に誕生会だ、正月だとイベント参加していますが、10歳になった孫はつい最近まで本物の「親戚のおばちゃま」だと思い込んでいたようです。「孫育て」に関わる大人は多いほどよろしい。気遣いも度が過ぎると相手に疎外感を与えます。工夫して「うまく巻き込む」という選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。

【対策】孫の面倒を見てもらい「親戚」になってもらう

(構成=布川 剛)
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