いざこざの原因は、住人の均質性
タワーマンションを舞台にしたドラマ『砂の塔~知りすぎた隣人』の脚本を執筆した際、実際に住んでいる方に、いろいろと取材をしました。
高級ホテルのようなエントランスにはコンシェルジェが常駐し、セキュリティーも万全、ジムやバー、スパなどの施設も備えたタワマンは、まさに成功者の集う夢の世界。でも、住む方々に話をうかがうと、人間関係に苦しんでいる人が少なくないようです。
下層階の人から上層階に住む人への「嫉妬」も、あると思いました。上にいくほど眺めがよく、その分価格が高いこともみんなわかっています。そうすると子ども同士のつきあいでも、上の子が下の子に対して偉そうな態度をとるというようなことが起こります。
ドラマの中に「ウチは主人が高所恐怖症で仕方なく2階に住んでいるの」と聞かれてもいないのに強調する住人が出てきますが、あれは実際にある話です。「上層階が買えなかったわけじゃない」と言いたいのでしょう。でも上の方からは劣等感の裏返しだと、失笑を買っています。