なぜ富裕層では争いが少ないか

相続で兄弟姉妹が揉めるのは、相続額がさほどではないケースが多いようです。そうなるのは準備の差でしょう。

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富裕層にはビジネスオーナーが多く、自身の会社で契約している弁護士や会計士とは個人的にも知り合いになっています。このためそうした人から「あらかじめ考えておいたほうがいいですよ」と、相続についても注意を受けていることが多いのです。そして早くから「その日」のための準備をしています。

何かあれば気軽に診察に行ける病院とは違って、弁護士などの法律家は一般の人にとってはまだハードルが高い存在です。相続に関しても、家族の大事な問題なのに、親の財産をもし相続したら「相続税がかかるかどうか」も知らない人が多いでしょう。「あらかじめ対策しておこう」という気持ちがない。そこが富裕層と一般の人との違いです。

現預金をそのまま持っているより、不動産にしておくほうが相続税は低く抑えられるし、生命保険を利用するだけでも、かなりの対策になります。富裕層の方たちは日頃から相続税法を意識していて、税率を軽減する方法についても調べています。