かけひきと蠱惑。その終着点は
本稿に登場いただく武田美穂さん(仮名)は、都内の派遣型風俗で勤務する23歳の女性。彼女もまた客の恋心を手玉にとり、抜け目なく売り上げを伸ばしてきたという。「風俗のお客さんには2パターンある。ただ発散したいだけの人と、恋愛ができないから風俗を利用している人。後者のパターンだと思ったら『自分はほかの客とは違う』と、勘違いさせるんです」。
決して難しいことではない。接客中は笑顔を絶やさず、「〇〇さんといるとあっという間に時間が過ぎちゃう」、あるいは「私たち、相性がいいね」といったセリフだけで、勘違いする男性も少なくないという。
彼女がしたたかなのは、さらに彼女にのめり込みそうな客を嗅ぎ分け、恋愛と勘違いさせる営業、俗に言う”色恋営業”を仕掛けていくことだ。
「お客さんの嫉妬心をどれだけ煽れるかが、腕の見せどころですね」
一例として彼女が挙げたのは、写メ日記だ。写メ日記とは、店のHPで公開している写真付きのブログのようなもの。彼女はその写メ日記をこんな具合に使っているという。
〈昨日、指名で会いに来てくれた人が今日も来てくれたの! すごく嬉しかった! でも今日ね、大阪に帰っちゃうみたいで寂しい…。〉