余裕ある老後を楽しみたいが、お金が足りない。そこで会社を買うという選択肢があるというベストセラー作家に話を伺った。
金のタマゴを生むニワトリを手に入れる
「人生100年時代」。60歳の定年退職後に再雇用で65歳まで働いたとしても、残りの人生はまだ30年以上もある。退職金とわずかな貯金、それと年金だけで暮らしていけるのか。多くの人が不安を抱えている。ヘタをすると“下流老人”に、最悪の場合“老後破産”への転落もありうる。
では老後に趣味や旅行などを楽しむなど、豊かな生活を送るためにはどうすればいいのだろうか。その1つの選択肢として「会社を買う」ことを提案しているのが、日本創生投資代表取締役CEOの三戸政和さんだ。著書『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』がベストセラーとなり、続編も合わせると累計17万部を突破している。
一般的に個人で会社を買うなど想像がつかないかもしれないが、同書によれば、約380万社ある日本の中小企業のうち、少なくとも約100万社が新たな後継者を求めているという。その多くはオーナー社長が高齢化し、事業承継問題に悩んでいる。業績悪化で先行きも暗く廃業に追い込まれる会社もあるが、後継者が見つからず黒字のまま廃業する会社も多い。
三戸さんは同書で、60歳から10年間会社を経営し、1000万円の役員報酬をもらえば、税引き前収入の総額は1億円、手取りで7000万円程度になり、「月々20万円×30年間くらい」のお金は得られると試算している。