韓国の輸出額はついに9カ月連続でマイナス
韓国政府が発表した8月の輸出額は442億ドル(約4兆7000億円)だった。これは前年比13.6%の減少で、9カ月連続のマイナスだ。今年5月、米中の貿易摩擦への懸念が高まって以降、前年同月比で見た韓国の輸出減少率は拡大傾向になっている。
この要因には、主力輸出先である中国の景気減速に加えて、ドナルド・トランプ大統領の経済政策による“サプライチェーン”の混乱がある。
これまで、世界の企業は需要動向に応じて必要な資材を必要なタイミングで調達できるよう世界各国に供給網を構築し、主には中国で生産活動を展開してきた。
しかし、昨年来、米国が中国に制裁関税などをかけ、中国も報復している。この影響を避けるために、世界の企業が中国に置いてきた生産拠点を、他のアジア新興国などに移している。また、労働コストの上昇などを受けて、世界の工場としての中国の地位が低下しつつあることの影響も軽視できない。
サプライチェーンの再編にかかるコスト負担や先行きへの懸念などから、多くの企業が資材の調達などを減らしている。それを反映し、世界的に企業の設備投資は減少し、韓国の重要な輸出品目である半導体などの需要が落ち込んでいる。