古典的ながら画期的な勉強法

試験を受け始めて2年目頃から、学科試験では合格点を取れるようになってきたのですが、面接試験では落ち続けました。面接では決まって、「その年で医師になって、何歳まで続けるつもりなんだ」と言われるわけです。その度に、「日野原重明先生のように、100歳を越えても続けます」と答えました。が、落ち続け、5年目には編入ではなく学部から受けなおそうと、センター試験も受験しました。しかし、この年、やっとのことで金沢大学に編入できました。

金沢大学医学部時代に使っていた「暗記ノート」(MIDORI)と消せるボールペン。暗記ノートは両サイドにリングがあり、片方にノート、もう一方に赤いシートが綴られている。

大学生活も、長時間の実習が連日続くハードなものでした。講義では勇んで一番前に座って一生懸命ノートをとったつもりでも、周りの35歳年下の同級生たちは前回の講義の内容について、私が忘れてしまったことを事細かに覚えている。あらためて記憶力の違いを痛感しましたし、悩む間もないほど、覚えなければいけないことも多い。ボイスレコーダー勉強法を使う余裕や時間はありませんでした。

そこで、要点をまとめたメモで大事なところは赤ペンを使い、透明な赤いカバーをかけて見えなくするという古典的な仕組みながら、しかし両面で使える新しいタイプの「暗記ノート」を使って、ひたすらに勉強しました。あわせて、愛用したのは消せるボールペン。ただし、この覚え方よりもICレコーダー式で勉強したことのほうが今でも鮮明に覚えていて、記憶の定着はいいように今では思いますね。

今は24時間いつ呼び出されるかわからないので、毎日飲んでいたビールもほとんど飲みません。働く環境としては、今が一番厳しい。でも、目の前の人を救うことができるという充実感、患者さんからいただく感謝の言葉は、代えがたいものがあります。勉強してよかったと心から思っています。

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(構成=伊藤達也 撮影=奥山洋一)