スキマ時間を有効に活用して準御三家に受かったバレエ女子

「先生、わたし受験のためにバレエもバトンもやめないからね。もしやめたら絶対に成績が下がる気がするから!」

6年生の春、わたしに向かって「元気」いっぱいにこんな宣言をした女の子もいた。わたしは習い事をセーブするように告知するつもりはなかったが、これは彼女なりのけん制だったのだろう。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Nikola Stojadinovic)

月・水・金・日に塾に通い、火・土はバレエ、木はバトントワリングを習っていた。そして、6年生の12月にバレエのコンクールの主役に抜擢され、中学入試間際まで忙しくしていた。志望校の試験日は2月1日から始まる。1カ月前まで勉強以外のことでかなり時間を割いていたわけだ。

試験の結果はどうだったか。彼女は自分の「持ち偏差値」を上回る複数の女子校に見事合格し、いまは御三家に次ぐレベルの女子進学校で学校生活を送っている。

中学生になった彼女にあの「宣言」の真意をたずねてみた。

「だって、バレエもバトンも奪われたら、発散する場所がなくなっちゃうし、それらをやめて空き時間ができたとしても、その分勉強をがんばれる気がしなかったんですよね」

習い事も勉強も試験も「楽しむ」ことができる

彼女の母親は当時の様子を懐かしそうに語る。

「習い事に移動する途中でファミレスに寄って宿題をしたり、駅のコンコースを歩いているときには教材を見ていたりしましたね」

ほんのわずかなスキマ時間があれば、そこを学習時間に充てていたのだ。かなり慌ただしかったはずだが、彼女が宿題を忘れたことは一度もなかった。彼女は2月1日からの数日間、連日塾に通い勉強に打ち込んでいたが、いつもニコニコと楽しそうに学んでいる姿が印象的だった。

「だってバレエのコンクールのほうが入試の何倍も緊張しますよ。だから、中学入試は精神的にも余裕がありましたね」

そういえば、彼女は科目試験のあとに「面接」を課す女子校を受験したが、「面接」で緊張しなかったか聞いてみると、ただ一言「楽しかった」と笑っていたことをわたしは思い出した。