省令で縛りをかける霞が関の傲慢

次に法律がビジネスに及ぼす影響に目を向けてみよう。06年9月に規制緩和路線を突っ走った小泉政権から安倍政権へかわって以降、世の中の流れは規制強化へシフトし始めた。それを象徴するものが、09年6月1日の改正薬事法の施行にまつわる一連のゴタゴタ劇である。

改正された薬事法の大きな柱は、大衆薬を副作用のリスクに応じて第一類から第三類までに分け、それぞれ販売の対応ができる者を薬剤師や新たに設けた「登録販売者」に割り振ったこと。そこで問題となったのは、実は改正薬事法自体ではなく、厚生労働省の「省令」で、インターネットをはじめとする通信販売では最も副作用のリスクの低い第三類の大衆薬の扱いしか認めなくした点であった。