頭の中が「買い物はフーマーでいいや」

ニューリテールというスタイルは、売り上げアップや人件費削減、さまざまな効率化という店側のメリットだけでなく、消費者にとっても購入方法の選択肢を広げられるという大きなメリットがあります。また、実店舗で消費した経験があればあるほど、より安心してオンラインを利用できるでしょう。

私はフーマーを視察して、「購買マインドシェア」という言葉が頭に浮かびました。購買マインドシェアとは、消費者の心の中に占める特定のブランドの占有率のこと。上海では、オフラインでもオンラインでもすぺてフーマーで買い物ができるため、購買マインドシェアのほとんどがフーマーで占められてしまうというわけです。そう考えると「未来型店舗」とは、売上効率や快適な買い物体験の提供のみならず、消費者の心理をもコントロールするような存在になりうるのかもしれません。

(構成・写真=稲田豊史)
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