猛烈な成長!待ち時間なしのコーヒーチェーン

luckin coffeeのレジ前。ピックアップ待ちの商品が並ぶ。

昨今、中国国内で急成長しているコーヒーチェーン「luckin coffee(ラッキンコーヒー)」は、アプリで注文し、店舗で受け取るか配送してもらうかを選択するスタイル。注文した瞬間に出来上がり時間が表示されるので、待ち時間なしでピックアップが可能です。配送の場合2kmまでで6元(96円)かかりますが、35元(560円)以上の注文だと配送料が無料。飲み物の値段がスターバックスより割安ということも相まって、人気を博しています。

luckin coffeeのレジ前。ピックアップ待ちの商品が並ぶ。

luckin coffeeは2017年10月に1号店がオープンしましたが、それから1年ちょっとしか経っていない2018年末時点で2073店舗、アプリユーザー数は1245万人にもなりました。同社は2019年中には4500店舗まで増やすと宣言しています。

上海には他にも、WeChatPayのミニプログラム(WeChatアプリの中に組み込まれているアプリ。WeChatPay決済と連動する)を使って、「商品のパーコードスキャン→セルフ決済」ができるコンビニや、米Amazon Goのように、商品を手に持った客が退店ゲートを通るだけで決済が行われるウォークスルー決済を実現しているコンビニもありました。

上海・虹橋空港内にある、Amazon Goタイプのコンビニ「云拿・天人便利店」。

バーまで「完全無人」のAIホテル

フーマーでニューリテールを推進するアリババが、その持てる技術を結集してプロデュースしたのが、2018年12月に開業したAIホテル「Fly Zoo Hotel」です。アリババ本社のお膝元である杭州、フーマー亲橙里店に隣接するこのホテルは、チェックインは無人、顔認証によるエレベーター乗降と部屋の解錠、AIスピーカーによる室内家電の調整、AIロボットによるルームサービスなどが行われています。まさに、未来型と呼ぶにふさわしいホテルです。

(左)Fly Zoo Hotelにフロントはなく、ロビーにチェックイン端末と案内係が1人いるだけ。(右)エレベーター内にカメラがついており、チェックイン時に認証した乗客全員の顔を同時に全員照合。乗降客の宿泊フロアにだけ自動的に停まる。

同ホテルに併設のバーの注文も、完全に「未来」でした。スマホのAlipayアプリを立ち上げてテーブルに置いてあるQRコードをスマホのカメラで読み、注文画面から好きな飲物をオーダーすると、店内のバーテンロボットに直接注文が行き、勝手に飲み物を作り始めるのです。決済はもちろんAlipayで即時。飲み物を持ってくるのは人間ですが、注文までの間に人間はまったく介在しません。

(左)バーのテーブルにあるQRコード。(中央)飲み物の注文画面。リキュールの濃さも細かく調節できる。(右)客のスマホからの注文を受けて作り出すバーテンロボット。