スーパー、コーヒーショップ、そしてホテル――。中国では、日本では考えられないほどキャッシュレス化が進んでいる。それだけでなく、売上効率を上げるさまざまな工夫が満載だ。深刻な人手不足に悩まされる日本でも、リアル店舗の新業態に注目が集まっている。人件費の圧縮、業務効率化、ネットショッピングとの共存共栄。それらのヒントを探るべく、マーケティングアナリストの原田曜平さんが海外で視察した未来型店舗を紹介する。(後編、全2回)

これが、アリババグループの本丸だ

中国のECサイト最大手・アリババ会長のジャック・マー氏が提唱する「ニューリテール(新しい小売)」という考え方があります。これは、ITによる膨大なデータ解析を駆使してネット通販と実店舗の融合を図る、高効率な次世代型小売り形態のことです。その“本丸”とも言える未来志向のスーパーマーケットチェーンが「フーマー」です。

上海にあるフーマー星空広場店。

フーマーの1号店は2016年1月、上海にオープンしました。2018年7月31日の時点で、中国14都市に64店舗を展開しています。同年9月の同社の発表によると、フーマー1店舗当たりの売り上げは1日当たり平均80万元(約1280万円)以上、オンラインでの注文はその60%以上を占めるそうで、注文店舗から半径3kmまでなら30分以内に配送してくれます。

フーマーはスーパーマーケットとして食品を売る機能だけでなく、購入した魚などを好みに調理して食べることのできるフードコートとしての機能、買ったものを配達してくれるデリバリーの機能を備えているほか、オンライン注文の倉庫の役割も担っています。

このように、フーマーは1つの売り場で複数の役割をこなすことで売り場効率が高まり、人件費などの固定費が抑えられます。実際、通常のスーパーに比べて、売り場面積当たりの売上高は3.7倍とのこと。その分を販売促進費に回したり、厨房に人員を割いて精肉や加工品の質を高めたりしているわけです。

杭州にあるフーマー 亲橙里(チンチェンリー)店。

本記事をさらに深く学ぶためのリアルイベント「PRESIDENT Online NIGHT MEETING」を開催します。チケットのご購入は、下記のバナーより販売画面にお進みください。みなさまのお越しをお待ちしております。


イベント名:「原田曜平が現地調査!『Amazon GO』『フーマー』など、世界の“未来店舗”大報告会」
日時:2019年7月24日(水)19時~
場所:プレジデント社ロビースペース
参加費:3000円(サンドイッチ付きは4000円)

※小売業界の方は無料となります(当日お名刺をご提示ください)