なぜ「テレビはつまらなくなった」と言われるのか。『チコちゃんに叱られる!』(NHK)などを手がけるテレビプロデューサーの小松純也氏は「一次情報にこだわる番組が減っている。テレビマンなら、自分たちがはじめて見つけた面白いものを紹介しなくちゃいけない」と指摘する――。

「検索で引っかからない」番組を作った

テレビプロデューサーの小松純也氏(撮影=小野さやか)

『チコちゃんに叱られる!』(NHK)などを手がけるテレビプロデューサーの小松純也氏が、「検索では引っかからない情報」をテーマにした番組を作った。チーフプロデューサーを務める番組『ダーレモシラナイ ~爆笑!日本の新知識~』だ。5月25日14:00~15:24に、MBS/TBS系列で放送される。

小松氏はフジテレビで『ダウンタウンのごっつええ感じ』や『SMAP×SMAP』、『笑う犬』シリーズなどに携わってきたテレビマンだ。共同テレビに出向後は、TBSで『人生最高レストラン』、Amazon プライム・ビデオで『ドキュメンタル』シリーズなどを手がけ、この4月に独立した。検索すれば何でも出てくる時代に「検索では引っかからない情報」を探す番組を作ったのはなぜか。小松氏に聞いた。

テレビマンの使命は「自分たちで見つけたもの」を紹介すること

――なぜ「検索では引っかからない情報」をテーマにした番組を作ったのですか。

最近のテレビでは、一次情報で番組を作ることがなくなっています。ネットで調べたり、本を読んだりして番組を作っている。それがテレビを「面白くないもの」にしているのではないかと思っていました。

昔話をすれば、『オレたちひょうきん族』の人たちは新宿でよくわからないお店に行って、変な人を見つけてきていたし、『オールナイトフジ』の人たちは当時のストリートで起きていることをそのまま番組に持ってきていた。自分たちが見つけた面白いものを世の中に紹介するのがテレビマンの使命だと思っているので、何とか一次情報でテレビ番組を作れないかと思ったんです。

もうひとつの理由は、「テレビってすごい」と思ってもらうためです。インターネットとテレビはいろいろな意味で比べられますが、「こういうものはありませんか?」と呼びかけて情報を集める時、現状ではテレビのほうが圧倒的に有利なんです。「テレビがマスである」ということを、テレビの力として我々はもう一度認識すべきだし、視聴者のみなさんにも感じてほしいと思いました。